秋葉原事件被告「ネット、自分が帰る場所」現実逃避の末：新垣の部屋：SSブログ

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秋葉原事件被告「ネット、自分が帰る場所」現実逃避の末　[ニュース] [編集]

「償いの意味を込めて、真相を明らかにしたい」。東京・秋葉原で２００８年６月、７人を殺害し１０人を負傷させた無差別殺傷事件で、殺人などの罪に問われた元派遣社員・加藤智大被告（２７）は、２７日午後も東京地裁での被告人質問で語り続けた。母親の影響を受けたという性格から、家族や職場のもめ事にうまく向き合えず、インターネット上の掲示板に深くのめり込んでいった姿が浮かんだ。

■母親から厳しいしつけ

　「伝えたいことを直接言葉ではなく、行動で示しブランドコピーてわかってもらおうとする自分の考え方」。事件を起こした最大の原因は何かと弁護人に問われると、スーツ姿の加藤被告は淡々と、そう答えた。

　「小さい頃の母親の育て方が影響しているのでは」と続けた。

　「『食事が遅い』と、新聞の折り込みチラシにぶちまけられた夕食を食べるように言われた」「小学校高学年でおねしょをして、布おむつをつけられた」……。生い立ちを語る中で、母親から受けたしつけが次々に口をついた。

　加藤被告は「怒られる理由がわからないこともあった。説明されなかった」と振り返った。それでも「恨む気持ちはない」と付け加えた。

■不満口にせず退職

　母親の意に沿って地元・青森の進学校を卒業したが、大学は自らの希望で自動車関係の短大に進んだ。卒業後、仙台市内の警備会社に就職したが約１年半で退職。その後も、数カ月から１年ほどで職場を転々とした。

　派遣社員として働いた埼玉県内の自動車工場では、作業の省力化を提案しても、正社員から「派遣はだまって言われたことをやってろ」と怒鳴られたことがあった。

　派遣元の上司に抗議したが、正社員から謝罪の言葉がなかったため、「（自分の意思を）アピールする意味で辞めた」という。正社員に直接、抗議することは思いつかなかった。どの職場でも不満を直接口には出さず、退職した。「損をした」と気付くのは、いつも辞めた後だった。

■ネット掲示板へ依存

　警備会社を辞めた０５年２月ごろ、インターネット上の掲示板でゲームの情報を入手するようになり、書き込みを通じて間もなく友人ができた。ネット掲示板への書き込みをもとにした小説「電車男」が流行した時期。仕事以外の時間は、ほぼ携帯電話に向き合い、「おたく」を装って、書き込みを重ねた。

　０６年夏には、本音で厳しい意見を書き込んだのをルイヴィトンきっかけにネット上の人間関係が悪くなり、自殺を考えるようになった。実行日を決め、母親や友人に連絡も取ったが、車の故障で自殺はあきらめた。実家に戻ると、母親からは抱きしめられ、地元の友人からも励まされた。

　「家族をやり直したい」との気持ちで母親と話すよう努めたが、父親が単身赴任から戻るとすぐに離婚話が持ち上がった。悲しくなったが「やり直してほしい」とは口にしなかった。

　ネット掲示板への依存はますます深まっていく。話題作りのため、たわいもない冗談を何回も書き込み、反応を待つ。返信があると、うれしさがこみ上げてきた。「本音が出せるネット上の人間関係は家族同然。書き込みがあると、自分の部屋におしゃべりに来てくれるようで、一人じゃないと感じられた。自分が自分でいられる、自分が帰る場所だった」（山田優、山本亮介）

2010-07-28 17:04 nice!(0) コメント(8) トラックバック(0)